2011/09/13

おばあちゃん2

週末二度目の佐渡へ。
土曜日は曇天でとても寒く、日曜は泳ぎたくなるほどの日和。
まだ夏と秋が行き来してる。

先週行ったときより少し元気な気がしたのだけれど、首のバイパス手術をして、栄養をそこからいれてるのが良いみたい。熱も36.1℃、と安定、血圧128/68、酸素98%と数値はよい。
痰が詰まるみたいでぺこりぺこりとびいどろみたいな音がたまにする。息がとまってるんじゃないかって心配になる。息をするのは苦しそう。はあはあいってる。
口の中に痰がたまったり、乾燥して唇の周りがかぴかぴしたりしてて、口の掃除をして頻繁にしてあげる。舌をきれいにしようとすると、痰と一緒に舌の皮もめくれてしまっているような気がして躊躇した。きれいにしたらプロペトというワセリンのようなものをぬってあげる。

顔は化粧水でコットンパックして、熱いタオルで足を暖めて、マッサージ。
ひたすらマッサージ。頭蓋骨や、肩、首筋もやってみる。触れるところ、さすれるところはすべてさすってみる。女同士だもん、いいよね?という感じで結構だいたんにさする。

火星の人類学者を思い出す。
親に抱きしめられるのはつらいけど、抱きしめられる感覚は安心するから、牛をはさむ機械で自分をはさむ火星の人類学者。
おばあちゃんはもうすぐ死んじゃうし、ぼけてるし、しゃべれない。けど、抱きしめられることは彼女をあたたかく包むのではないかと、私は想像する。ベッドの上で寝返りも打てないおばあちゃんを抱きしめるのは難しいけれど、二の腕を肩を、首筋を、腰を、脇を、抱きしめる感覚でさすってみる。ぎゅっとする。「ぎゅーーーー」っていいながらやると少しだけ笑う。

日曜は11時半のジェットフォイルだからあまり時間がなくて、おばちゃんが迎えにくるまでずっとベッドにのって、足をマッサージした。途中からは、足の甲を両手で上下にはさんで、そのままにした。わたしはそのうちうつらうつら眠ってしまった。おばあちゃんも眠っていた。
その、まどろみはおばあちゃんの意識と私の意識が混じり合って溶け合っているような感じだった。眠りに入る前の独特な意識状態。沖縄のイシキ浜でインフルエンザ疑いの私が横になったとたん襲われたまどろみと同じだなって思い出した。
とてもとても、しあわせだった。その時間のしずけさ、その時間がわたしとおばあちゃんの間にあったことがしあわせだった。

次は二度目の三連休。
調子がそのまま続きますように。