2013/11/11

母の夢

そういえば、と思い出す。
今朝方見た夢はおばが死にゆく夢、そして、母が死にゆく夢だった。

悲しい感じは両方ともなくて、夢から覚めたあとも、わるいゆめをみた、などとは思わなかった。

おばの方は先にみていたのでちょっと詳細が思い出せない。
母の方は、不思議だった。死にゆく母を私はずっと抱きしめている。息をひきとるまでずっとこの腕に抱いている。母は少女のような、ピンクの光に包まれているみたいだ。すこやかにすやすやと眠っている。重さは感じない。死にゆくとわかっていて、私はその瞬間まで抱いていたいと思っている。夢の中で息をひきとった感覚を味わったかどうか定かではない。映画の結末がどうだったかあまり執着できないように、息をひきとった感覚がどうだったかということを覚えている回路が私には用意されていないのかもしれない。それよりも死くるまでずっとふんわりと抱きしめているという行為を味わっていた。
目が覚めて思った。死にゆく人は布団の上に一人で横たわっているのと、だれかに抱きかかえられているのとどっちが幸福に死にゆけるのだろう。
私はだれかに抱きかかえられたいのだろうか。どうだろう。