2008/11/17

軽さと重さ

煮込みは重い。
漬物も重い。
パテも重い。

空気を抜き、圧をかけ、みっちりしたおいしさ、重さ。
例えていうならば辰巳芳子さんの、綿密で密度があり、どっしりと安心できるおいしさ。

それとは反対に、

フレッシュで、空気が混ざっていて、軽い料理がある。
私は孤野扶実子さんの料理を食べたことはないがとても憧れていて、
彼女の料理はとても軽いのだという。

数週間前、初めて入った目白のイタリアンが、驚くほど軽かった。
軽いはイコール薄い、シンプル、ということではない。
きっちり手も掛けているし、材料がシンプルというわけではない。
けれど、軽やかでフレッシュで体の中に空気が通るようだった。
次の日の朝にまったく体に残っていない。すがすがしい朝。私は、今、この軽さが欲しいんだ!と体で実感した。

軽い料理に強く惹かれたことはこれまでなかったように思う。
前述のように、私は軽い=薄い、物足りない、というイメージを持っていた。

今、強く強く、軽やかな料理を作りたいを思う。
家で1人で食べるのには、私のこれまでの料理は重すぎるのだ、と初めて感じたのだ。
だから、自炊をする気分になれなかったのか、と。
買ってきたものは軽い。これはいい意味での軽さでは決してないけれど、体はよくも悪くもとにかく軽いものを欲しているからこそ、私はコンビにやスーパーの惣菜、カップの春雨、スナック菓子にビール、という軽さですませているほうが気分も体調もよかった。
ここ数週間ちょいと自炊を再開して、その重さに体がびっくりした。

栄養とはなんだろう。
軽さと重さについて、やっとなにかの片鱗にふれはじめた。

(※この項は今後追記・編集をする予定です。)