2008/10/23

都会のアリス

ヴィム・ヴェンダースの1974年の映画

アリスはいくつなんだろう、子供で、女だった。
こわがらない、かっこいい女。

外国の映画でときどき、あるいはいつもなのかもしれないが、目にする人々のあの態度――行き当たりばったり感というか、困難に対して「無理じゃん」とならずに、かといってなんとしても解決を図ろうというのでもなく、途中でなんとなく楽しいことを間にはさみながら全体的には鬱とした感じと落胆があるのにも関わらずそちらに引っ張られることなくゆるやかに諦めない態度――には本当に感心すると同時に笑っちゃうし、楽になっちゃうのはなんでなんだろ。それは、余裕のあるなしってお金じゃなくって、優しさとかでもなくって、こういう行動のことなんだなーって思う。
都会のアリスでも、やっぱりそういう態度でアリスのおばあちゃんの家を探すのだ。

ロードムーヴィーの道は作品を超えてつながっていく。
アリスを観ながら今までみたロードムーヴィーの風景の断片が何度も何度も去来した。