2009/02/04

キャラメル

ユーロスペースにてキャラメルを観る。
レバノンの若い女性監督の映画。

イスラム教と思ってたらマリア様にお祈りしてた。アラビア語?フランス語?レバノンの文化的ベースがどんなものなのか、私の想像の範囲を超えてる。
でも、西洋が入っていることは確かで、このカントクのまなざしは境界を見つめつつ西洋的だ。

話の構造が素朴だから物足りないと言えてしまう観点ではなく、中東の女性でしか得られない視線というものはどこに表れてるんだろうって思った。
かつてマフマルバフやジャリリやキアロスタミの映画が入って来た時に私たちが見せてもらったのは西洋ではない物事のありようや物事を見通すやり方だったような気がする。小津映画もそんな感じがある。この映画からは特別そんな感じは受けない。
ここはベイルート。都会の女子のかわいさとかけなげさとか強さとかがストーリーの軸にあって、それは世界共通の質感をもつかのように親しみ深い。それでも映画は細部に地域性をもっていて日本の片隅にいるわたしからみたら人間の豪快さやいい加減さ、部屋の乱雑さや景色の抜け感にほれぼれしたり。

そういえば去年みたやはり若いイラン人女性監督のアニメペルセポリスも本当に秀逸だった。