2009/02/05

ロシュフォールの恋人たち

某ゲーム会社でイラストレーターをしてた時、隣の席のデザイナーさんがこの映画のサントラを貸してくれてイヤホンからヘビロテでのりのりで絵を描いていました。ルグランさいこーとかって。
だから曲は全部覚えていて、今回初めて本家の映画を観て、やっと映像が付与されたという感じ。

デジタルリマスター版ということで、色があざやか、ポップですべてがかわいい。
ドヌーブはお人形のよう。
ミュージカル映画なので突然歌ったり踊ったりするんだけどそこに違和感のない全体的に現実離れしたような世界。フランスだからそうみえるのかな。なんていうか、観てると自然にわらいがこみ上げてくる。

フランス語だから何もわからず聴いてたけど訳を初めて知って、
「バラバラ殺人があったんだって、昨日赤毛のダンサーがころされたって、まあ怖い」とか
「男はなんですぐ寝たいっていうの?結婚してといってくれないの?」「それのどこが悪いんだ、キスさせておくれよ」とか
「ぼくの名前がダムなんてへんな名前だから彼女はいらだってメキシコ人と結婚してしまったのさ、ああ、10年間、ずっとわすれられない」「彼の名前がへんな名前で私はそれに耐えられなかった、マダム・ダムなんて絶対にイヤ!」とか
そんなんばっかで、笑えた。わたしはそんな可笑しな歌詞のフランス語をきいてたんだ…。

なんていうか、世界全体が経済成長期の頂点を極める前の、成功を目指す明るい感じが全体にみなぎっていて、こういう時代が確かにあったんだな、と思った。それに対して今がどうあるのか、時代の大きな流れみたいなのを俯瞰したような気分になった。